おちんこ問題2020

ゾイーン 200×200

僕の絵は動物を描きながらも人間を描いてます。
動物のカタチを借りて人間の心情やらを表現しています。
そこでいつも問題となってくるのが「おちんこ問題」
人間を描きながらも動物のなので基本全裸です。
要するに描くか、描かないか、という問題にぶち当たるのです。
あるはずなのにないのもおかしいし、描いてもおかしい。

そういう葛藤が50枚に1枚くらいの割合で起こります。

僕の絵はほとんどはバストアップで収まる構図が多いからいいのです。
上の「ゾイーン」みたいに子供設定ならむしろ喜んで潔く描きます。
問題は全身、で、しかも「パパ」として描く動物の場合。
その場合はパパとしての男らしさだったりの要素も心情描写としてはいってる場合が多いのでつるんつるんもおかしい。
かと言って僕の絵は比較的可愛らしさもあるので描けばきっとそのギャップは地獄絵図。

回避策は色々あります。

①構図でごまかす。

そのままです。
寸前で切ればよいのです。


②手前に何か置く
父親が出てくる時はおおよそ子供も登場するので、子供はその辺りに配置します。
この絵の場合手前に置くと言うより見えないようにする作者の苦悩が少し見えてしまいます。

④服を着さす
動物に服を着さすこと自体に意味があります。これはzozoスーツを着てる僕の絵。
その場合は堂々と構図もふみきれます。

④もう描かない
先日描いた壁画は、このビルのオーナーである社長さん(男性)のイメージキャラの青クマです。
描いてる途中社長さんとも冗談交じりで「どうします?笑」とプチ議論しました。
こんな人通りの多い街中で描くわけないですが、鋭い眼差しで壁画を見上げる男らしい社長さんを横目に描いてると、描かないことは不正解に思えてなりませんでした。

以上、色んな作戦はありつつも、どこか嘘ついてるような、ごまかしてるような気持ちも傍にあるのは事実。
でも描いたら描いたで、ソレの圧で本当に言いたいことはボヤけてきっと本題が入ってこない。
「メッセージが太く伝わる」ことを優先して、ごまかすこともよりよい伝達ひとつの取り組みと捉えて心を落ち着かせているのが今の結論です。



余談ですが上のパンダ「こんにちんは」という昔描いた絵です。
この絵が売れた時、僕はその場に立ち会えませんでしたが、お店の人によると買った方は若いご夫婦でとても清楚な奥様だったとのこと。
それを聞いて何だかとても嬉しく思ったのを思い出します。

長くなりましたが、これからも「おちんこ問題」は大人モノは工夫をこらすでしょうし、
今日描いた「ゾイーン」みたいに子供ちんちんはとても可愛いく愛おしいです。
これからも次男のを参考(長男はもうNG)にしながら容赦なく描いていきます。

Akio Harada

原田章生 画家 音楽家

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