そのまんま東
壁画も4日目になると顔見知りもできてくる。
いつも楽しそうに移り変わる壁画の写真を撮ってみえる年配の男性。
今日は奥さんとふたりで来ていた。
挨拶を交わすと、「実はこの壁作ったのこの人なの」と奥さん。
知らなかった。
今回シャッターの上に新たに壁を作っていただいた。
僕は絵を描く前の壁の状態を指示させてもらっただけでそこに関わる職人さんを知らない。
でも、直ぐに絵の具が密着できる状態に整えてくれた見えない職人さんには感謝していた。
男性は僕のことを「先生」呼ばれる。
壁に塗った「シーラー」のこだわりを僕に語られる。二種類使ったとのこと。
僕は心から感謝伝える。
「ところで先生、完成予想図も見せていただきましたが今描かれてるのはそのまんま東ですか?」
そのまんま東。
東国原さんはまだ描いてない。
てか、描くわけないじゃないか。
すると奥さんは、この人また言ってる、と言わんばかりに笑う。
あーなるほど。 「今のところ、予想図そのまんま東ですよ(笑)」
と返す。
男性はこれからも楽しみです、と言われ笑いながら去って行かれる。
絵の具が今しっかり乗ってるのはこの人のおかげ。
僕だけの作品ではないのです。
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