赤い女
足場最上階で描いてると、地上で赤い服を着た人ひとり。
ずっと僕を見てる。
振り向かなくてもわかるのは横目に入る赤い服のせいだけじゃない。
背中に感じる強い波動。
彼女はずっと見てる。
僕は振り向かない。
いや、振り向いては行けない。
作業を続けること。
振り向かないこと。
これが今の僕らが僕らであり続けることの唯一のライフラインなのだから。
とにかく僕は彼女の為に描きつづける。
救いたかった。
それにしてもほんとに動かない。
しかも長い。
少し集中も途切れてきた。
それに気づいたのは描写部分を移動した時。
ん?彼女は一人じゃない??
振り向いた。
カラーコーンでした。
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